おともdeマイルとは?JAL国内線で利用可能なグループ割引制度を徹底解説!
おともdeマイル割引は、2名から4名までのグループで利用できるJAL国内線の割引運賃制度です。代表者1人がマイルで、同伴者は特別な割引運賃を利用することができるため、使い方によっては10万円以上お得になることもあります。ただし、国際線では利用できない、キャンセルによるマイルの払い戻しがない、変更は基本できない、など注意点も多くあります。当記事では、おともdeマイル割引の特徴とメリットからお得度、デメリットまで詳しくご紹介していきたいと思います。
更新履歴(2022年2月16日):2023年4月12日搭乗分から「廃止」される予定であることを追記しました。
目次
おともdeマイル割引とは
2名以上のグループで利用可能なJAL国内線の割引運賃制度
「おともdeマイル割引」は、2名から4名までのグループで利用できる、JAL国内線の割引運賃制度です。
JMB会員本人1名は日本中どこへでも往復10,000マイルで、3名までの同行者は割引運賃でチケットを購入することができます。
JAL公式HPでは以下のように紹介されています。
JALマイレージバンク会員を含む2名~4名様までのグループでご利用いただける運賃です。JMB会員ご本人様は往復10,000マイルでご利用いただき、ご同行者様は割引運賃にてご購入いただけます。
「おともdeマイル割引」は、いくつか制限(=注意点)はあるものの、家族(もしくはグループ)全員分の特典航空券を手配するほどマイルが貯まっていない場合や、出発までの日程が迫っており他の割引運賃がお得でない場合、などに効力を発揮します。
以下で詳しくご紹介していきます。
「おともdeマイル割引」はJAL国内線の運賃制度変更により、2023年4月12日搭乗分から「廃止」されることがアナウンスされました。詳細は以下の記事をご参照ください。
ANAにも同様のグループ割引運賃制度があります。ANAの場合は「いっしょにマイル割」という名称になっています。詳細は以下の記事をご参照ください。
おともdeマイル割引:特徴とメリット
まずは、「おともdeマイル割引」の制度概要と特徴、メリットについて確認していきたいと思います。
代表者1名は日本どこへでも往復10,000マイル
「おともdeマイル割引」を利用するためには、代表者がJMB会員である必要があります。そして、この代表者はマイルを使ってチケットを発券することになります。この時必要になるマイル数は、日本どこへでも往復10,000マイルです。
したがって、「おともdeマイル割引」を利用するには、グループの少なくとも誰か1名が10,000マイルを保有している必要がある、というのが必須条件になります。
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おともdeマイル割引はC区画が最もお得
通常、マイルを使って発券できる「JAL国内線特典航空券」の場合、必要マイル数は、出発空港と到着空港の距離によって変動します。この距離のことを「区画」として表現しています。
一方で、「おともdeマイル割引」の場合は、区画によって必要マイル数は変動しません。これが「おともdeマイル割引」の特徴でありメリットとなります。
具体的な必要マイル数(往復)は以下になります。この表を見ていただくと、A区画で「JALカード割引」を利用したケース以外は、つまりA区画のほぼ全てとB区画、C区画で「おともdeマイル割引」が最もお得であることがわかります。
特に、「ディスカウントマイル」や「JALカード割引」の設定のないC区画のお得度が最も高いということになります。「通常」と比較すると、10,000マイルもお得になります。
<JAL国内線特典航空券の必要マイル数(往復)>
区画
|
通常
|
ディスカウントマイル
|
JALカード割引
|
おともdeマイル割引
|
A区画
|
12,000
|
10,000
|
9,500
|
10,000
|
B区画
|
15,000
|
12,000
|
11,500
|
10,000
|
C区画
|
20,000
|
(設定なし)
|
(設定なし)
|
10,000
|
区画の定義は以下のようになっています。ここでは、利用者が多いと思われる「東京」「大阪」「札幌」「名古屋」「福岡」の出発便を抜粋してご紹介します。
A区画は近距離ですので、中距離(B区画)や長距離(C区画)では、「おともdeマイル割引」が最もお得になるというわけですね。
<JAL国内線特典航空券の区画(A区画)>
出発空港
|
到着空港
|
東京 | 大阪、名古屋、秋田、山形、小松 |
大阪 | 福岡、松本、但馬、隠岐、出雲、松山、大分、熊本、宮崎、徳之島 |
札幌 | 女満別、青森、秋田、花巻、利尻、釧路、 函館、三沢 |
名古屋 | 新潟、出雲、高知 |
福岡 | 出雲、徳島、高知、松山、天草、宮崎、鹿児島、屋久島 |
<JAL国内線特典航空券の区画(B区画)>
出発空港
|
到着空港
|
東京 | 札幌、福岡、沖縄、女満別、旭川、釧路、帯広、函館、青森、 |
大阪 | 札幌、沖縄、女満別、旭川、函館、青森、秋田、花巻、山形、 |
札幌 | 名古屋、福岡、仙台、山形、新潟、松本、静岡、出雲、広島、徳島 |
名古屋 | 福岡、沖縄、釧路、帯広、山形、北九州、熊本 |
福岡 | 沖縄、花巻、仙台、新潟、松本、静岡、奄美大島 |
<JAL国内線特典航空券の区画(C区画)>
出発空港
|
到着空港
|
東京 | 久米島、宮古、石垣 |
大阪 | 石垣 |
同伴者最大3名は専用の割引運賃を利用できる
代表者にお供する同伴者は1名から最大3名まで設定可能です。したがって、「おともdeマイル割引」は、2名から4名までのグループで利用できる割引運賃制度ということになります。
このグループに参加するのは、家族でも家族でなく普通の友人でも大丈夫です。特典航空券の場合、利用できるのは「二親等以内の親族」に限られますので、柔軟性があるのはありがたいポイントです。
そして、この同伴者に適用される割引運賃は、「おともdeマイル割引」専用のものとなっています。通常の「先得割引」とは別に空席や金額が設定されているのが面白いポイントです。
おともdeマイル割引:お得度
おともdeマイル割引は近い日程の方がお得度が高い
ここでは、通常の割引運賃である「先得割引」と「おともdeマイル割引」のどちらがお得なのか確認してみたいと思います。
確認するのは、人気路線である「東京(羽田)=沖縄(那覇)」で、当記事執筆時点(12月下旬)から7ヶ月後の7月下旬と、2週間後の12月中旬で比較してみたいと思います。
7ヶ月後の7月下旬の場合
7月下旬を選択したのは、夏休みシーズンに入ることで、目的地である「沖縄」が人気となると思われるからです。確認結果は以下になります。
まずこちらは、「東京(羽田)から沖縄(那覇)」へ向かう午前中の便です。午前中の便は人気があるため、先得割引である「ウルトラ先得」の割引率が抑えられており「おともdeマイル割引」の方がお得になっていることがわかりますね(赤枠が最安値です)。
続いてこちらは、東京(羽田)から沖縄(那覇)へ向かう午後中の便です。午後の便は人気がないため、「ウルトラ先得」の割引率が大きく先得割引が最もお得になっているのがわかります。午前中とは逆の結果ですね。
また、全体を通してみると、「おともdeマイル割引」は時間帯によらず料金が一定となっているのも確認できます。人気の時間帯でも価格が高くならないというのは「おともdeマイル割引」のメリットと言えます。
ここでは「東京(羽田)から沖縄(那覇)」向かう便を確認していますが、逆の「沖縄(那覇)から東京(羽田)から」向かう便も同じ傾向になっています。
以上から、旅行までの日程に余裕があり、人気の時間帯に拘らないのであれば、「先得割引(例:ウルトラ先得)」がお得になり、逆に人気の時間帯に拘わるのであれば、旅行までの日程に余裕がある場合でも「おともdeマイル割引」の方がお得になる、という傾向を把握することができました。
2週間後の12月中旬の場合
続いては、記事執筆時点からは直となる2週間後の12月中旬です。確認結果は以下となります。
まずこちらは、東京(羽田)から沖縄(那覇)へ向かう午前中の便です。2週間前になると「先得割引」が利用できなくなり「特便割引」が比較対象になります。この場合、「おともdeマイル割引」が半額近い料金、つまり約13,000円ほどお得になっていることがわかります。
続いてこちらは、東京(羽田)から沖縄(那覇)へ向かう午後中の便です。午後の便は人気がないため、「特便割引」でも割引率が大きくなっているため、「おともdeマイル割引」との差が小さくはなっています。しかしながら、全ての時間帯で「おともdeマイル割引」が最もお得であることが確認できます。
以上から、旅行までの日程が近い場合は、「おともdeマイル割引」が圧倒的にお得になるということが確認できました。
比較的近い日程で、家族やグループで旅行に行きたくなったという場合や、急に帰省しなくてはならなくなったという場合に威力を発揮しそうですね。
JALの「先得割引」の予約期限は以下になります。「先得」は、基本的には搭乗日までの期間が長ければ長いほど割引率が高くなります。
人気路線の場合、「先得」を狙っていても販売開始日に売り切れになってしまうこともあります。そういった場合の代替策として「おともdeマイル割引」を利用するのも良い作戦ですね。
<先得割引の予約開始日と予約期限>
運賃の種類 | 予約開始日 | 予約期限 |
---|---|---|
先得割引タイプA | ご搭乗日の330日前の午前9時30分から | ご搭乗日の28日前まで |
先得割引タイプB | ご搭乗日の45日前まで | |
スーパー先得 | ご搭乗日の55日前まで | |
ウルトラ先得 | ご搭乗日の75日前まで |
おともdeマイル割引のお得度は10万円以上になることも
ここでは、「おともdeマイル割引」のお得度がどれくらいになるのか計算したいと思います。2週間後の12月中旬で「東京(羽田)=沖縄(那覇)」を4人で利用した場合を比較したいと思います。
まずこちらは「得便割引」を利用した場合です。往路は「午前便」、復路は「午後便」ということで、往復ともにあえて人気の時間帯を選択しています。この場合、4人での運賃の合計は「200,480円」になります。
続いてこちらは「おともdeマイル割引」を利用した場合です。利用便は同じにしています。この場合、4人での運賃の合計は「81,660円」になります。その差額は「118,820円」にもなります。約12万円もお得になるという計算になります。
ただし、「おともdeマイル割引」の場合は、上記金額に加えて、代表者が「10,000マイル」を消費することになります。まとめると以下のようになります。
<おともdeマイル割引のお得度の例>
- 得便割引を利用した場合:200,480円(4人分の運賃)
- おともdeマイル割引を利用した場合:10,000マイル(1人分のマイル)+81,660円(3人分の運賃)
- おともdeマイル割引のお得度:118,820円 ー 10,000マイル = 約10万円!
1マイルの価値は一般的には2円程度と言われていますので、上記の場合の「おともdeマイル割引」のお得度は約10万円ほどということが言えそうです。
こうやって考えると、家族やグループ4人で利用するのであれば、なんとしても10,000マイルを貯めて、「おともdeマイル割引」を利用したいところですね。
ただし、「おともdeマイル割引」での予約期間は「搭乗日の330日前の午前9時30分から4日前の23時59分まで」となっています。あまりに直前過ぎても予約できませんので、この点は注意する必要がありますね。
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おともdeマイル割引:注意点とデメリット
「おともdeマイル割引」はお得な割引運賃制度ですが、制限事項もそれなりあります。ここでは、利用する上での注意点とデメリットをまとめたいと思います。
往復ともに同じ空港を利用する必要がある
「おともdeマイル割引」は、往復ともに同じ空港を利用する必要があります。つまり、出発空港と到着空港の組み合わせが往復で同じである必要があるということです。(例:往路「羽田→石垣」、復路「石垣→羽田」)
ただし、札幌(千歳・丘珠)、東京(羽田・成田)、大阪(伊丹・関西)は同一空港とみなされるため、この部分の違いは認めれています。(例:往路「羽田→石垣」、復路「石垣→成田」)
子供でも使えるが小児運賃の設定はない
「おともdeマイル割引」は、利用に関して年齢制限はないため、子供でも利用することができます。ただし、小児運賃の設定はなく、同行者料金は大人と同額となるため注意が必要です。
仮に、「おともdeマイル割引」よりも「小児割引運賃」の方が安い場合でも、一律で大人と同額の同行者料金が適用されてしまいます。
予約手続きはインターネットのみで当日中に支払う必要がある
「おともdeマイル割引」は、JALのインターネットWebサイトのみ受け付けています。他の方法では予約することはできないため注意が必要です。
また、予約についてはグループ全員分を一度に行う必要があり、後から追加などはできません。加えて、支払いについては、全員分を当日中に行う必要があります。
予約販売期間は、搭乗日の330日前の午前9時30分から4日前の23時59分までとなっています。ちなみに、キャンセル待ちのサービスはありません。
代表者はマイルやFOP、搭乗回数の加算はなし
JMB会員である代表者本人はマイルでの航空券利用となります。そのため、搭乗におけるマイルやFOP、搭乗回数の加算はなし、となっています。
一方で、同伴者については有償で航空券を購入していますので、以下のマイル積算率が適用されます。そのため、同伴者はFOPおよび搭乗回数も加算対象となります。
<同伴者のマイル積算率>
- おともdeマイル割引:75%・クラス Jおともdeマイル割引:85%
クラスJも利用できるが利用する場合は全員がクラスJにする必要がある
「おともdeマイル割引」は、クラスJにも利用可能となっています。往復ともにクラスJ、片道のみクラスJ、といった選択も可能です。その際、代表者の必要マイル数は以下になります。
<クラスJ利用時の必要マイル数>
- 往復クラス J: 12,000マイル
- 片道のみクラス J: 11,000マイル
ただし、代表者がクラスJを利用する場合は、同伴者も同じく利用する必要がありますので注意が必要です。誰が1人だけがクラスJを利用するという抜けがけはできないということですね(笑)。
年末年始やお盆休など設定期間に制限がある
「おともdeマイル割引」は、設定期間に制限があります。直近の設定期間は以下になりますが、それぞれ、年末年始とお盆休みの期間が利用不可に設定されているため注意が必要です。
<設定期間:2019年10月27日から2020年3月28日まで>
- 期間Ⅰ:2019年10月27日~2020年3月18日期間Ⅱ:2020年3月19日~28日
- 利用不可期間:2019年12月20日~2020年1月5日
<設定期間:2020年3月29日から2020年10月24日まで>
- 期間Ⅰ:2020年4月1日~27日、5月7日~7月16日、9月1日~10月24日期間Ⅱ:2020年4月28日~5月6日
- 期間Ⅲ:2020年3月29日~31日、7月17日~8月6日、8月17日~31日
- 利用不可期間:2020年8月7日~16日
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グループ全員が同時に搭乗手続きをする必要がある
「おともdeマイル割引」は、代表者であるJMB会員を含め、グループ全員が同時に搭乗手続きをする必要があります。
グループ旅行を対象とした割引運賃のため、当たり前といえば当たり前ですが、個別行動は厳禁です。
また、搭乗手続きは自動チェックイン、発券機、または空港カウンターで行うことができます。一方で、便利な「タッチ&ゴー」は利用できませんのでこちらも注意が必要となります。
変更は基本できないが空席があれば予約便より前の便には搭乗可能
「おともdeマイル割引」を利用した場合、予約の変更は不可となっています。
ただし、搭乗当日出発空港で出発時に空席がある場合に限り、予約便より前の同一区間の便に変更することができます。
この際、全員での変更が必要となります。グループ旅行が前提のため、全員で足並みを揃える必要があるということですね。また、変更は、チェックインカウンターでお願いする必要があります(自動チェックイン・発券機(KIOSK)では手続きできません)。
ちなみに、搭乗日当日、出発空港でクラス J、ファーストクラスに空席がある場合は、有料で変更することができます。
キャンセルした場合はマイルの払い戻しはなし
「おともdeマイル割引」を利用した予約をキャンセルした場合、マイルの払い戻しはないため注意が必要になります。
同行者については取り消し日時に応じた、以下の取消/払戻手数料が必要となります。出発54日前からは、かなり高額の取消/払戻手数料が必要となるため、予約の際はよく日程を確認しましょう。
<おともdeマイル割引の取消/払戻手数料>
取り消し日時 | 取消/払戻手数料 |
購入後~出発55日前 | 440円(1区間あたり220円) |
出発54日前~出発前 | 運賃額の50% |
出発後 | 運賃額の90% |
まとめ:おともdeマイル割引は家族やグループでの利用がお得!全員分のマイルが貯まっていない場合に威力を発揮!
今回は、おともdeマイル割引の特徴とメリットからお得度、デメリットまで詳しくご紹介していきました。おともdeマイル割引は、以下のようなケースでの利用に最適です。お得度は10万円を超える場合もります。
- 家族(もしくはグループ)全員分の特典航空券を手配するほどマイルが貯まっていない
- 出発までの日程が迫っており他の割引運賃がお得でない
ただし、国際線では利用できない、キャンセルによるマイルの払い戻しがない、変更は基本できない、など注意点も多くあります。これらの考慮点をクリアしながら賢く利用したいですね。
「おともdeマイル割引」を利用するには、グループの少なくとも誰か1名が10,000マイルを保有している必要がある、というのが必須条件になります。
まずは、10,000マイルを貯めることろからスタートし、お得にJAL国内線を利用しましょう!
「ANAマイルの貯め方」と「JALマイルの貯め方」については以下の記事をご参照ください。大量マイルを貯めるのは、コツさえつかめば意外と簡単です。
また、「オススメのJALカードの選び方」は以下の記事で詳しく解説しております。合わせてご参照ください。
それでは、また!