JALカード「ツアープレミアム」のメリットは?損益分岐点を解説!
JALカード「ツアープレミアム」は、JALカードのオプションサービスです。年2,000円(税抜)を年会費に追加することで、割引運賃を利用していても区画マイルの100%を貯めることができるようになります。同様のサービスはライバルの「ANAカード」にはありませんので、JALカードならではの特徴ということが言えます。当記事では、JALカード「ツアープレミアム」とは?という基本、内容の詳細、注意点、損益分岐点まで解説していきたいと思います。
目次
JALカード「ツアープレミアム」とは
ツアープレミアムは割引運賃でも区間マイル100%分のマイルが貯まる
JALカード「ツアープレミアム」は、JALカードのオプションサービスの名称です。
JALカードにオプションとして追加することで、対象割引運賃でJALグループ便を利用した場合でも、区間マイル100%分のマイルを貯めることができるようになります。
ツアープレミアムはオプション料金として年会費に2,000円の追加が必要
オプション料金は、JALカードの年会費に「2,000円(税抜)」をプラスする形になります。
「ツアープレミアム」はオプションですので、自分で追加するかどうかを選択することができます。JALカードの入会後、好きなタイミングで追加することができます。
ちなみに、同様のサービスは「ANAカード」にはありません。「ツアープレミアム」を提供しているのは、JALカードならではの特徴と言えます。
スポンサーリンク
JALカード「ツアープレミアム」のメリット
パッケージツアーでも100%のマイルが貯められるのが最大のメリット
JALカード「ツアープレミアム」のメリットは、パッケージツアーなどでマイルが貯まりにくいチケットを利用していても、区画マイル100%分のマイルを貯められるという点です。
以下は、JALカードの「CLUB-A」会員が、「東京=パリ間(往復)」でJAL便をパッケージ旅行で利用した場合の例です。
パッケージツアーの場合は、多くは格安チケットを利用しているため、マイル積算率は「50%」など低くになっています。
そのため、区画マイルが往復で「12,388マイル」の場合、フライトマイルは半分の「6,194マイル」しか獲得できません。
一方で、「ツアープレミアム」に登録すると、普通であれば加算されなかった区画マイルの「50%」分、つまり「6,194マイル」がボーナスマイルとして加算されます。
つまり、フライトマイルとボーナスマイルの合計で区画マイル「100%」分のマイルを獲得できるというわけです。
この例で獲得できるJALマイル数をまとめると以下のようになります。ツアープレミアム登録済みの方が「6,194マイル」もお得であることがわかります。
<獲得できるJALマイル数(往復)>
- ツアープレミアム未登録の場合
- 搭乗ごとのボーマスマイル:1,548マイル
- フライトマイル:6,194マイル
- 合計:7,724マイル
- ツアープレミアム登録済の場合
- 搭乗ごとのボーマスマイル:1,548マイル
- フライトマイル:6,194マイル
- ボーナスマイル:6,194マイル<=ツアープレミアムの特典
- 合計:13,936マイル(+6,194マイル)
一般的にマイルの価値は「1マイル=2円以上」と言われていますので、ツアープレミアム登録済みの方が「12,388円(=6,194マイル x2円)」以上お得という計算になります。
「ツアープレミアム」の登録料は「2,000円(税抜)」ですので、この例ではツアープレムアムに登録した方が10,000円ほどお得になったということになります。
「ツアープレミアム」の登録料することで、区画マイル100%分のマイルを貯められるというのは、大きなメリットをもたらす可能性が高いということがわかりますね。
マイルの価値は利用方法によって変化します。「1マイル=2円」というのは国内線特典航空券に利用した場合の例で、国際線特典航空券に利用すれば、その価値は「5円から15円」ほどに高まります。詳細は以下の記事をご参照ください。
JALカード「ツアープレミアム」の詳細と注意点
ここでは、JALカード「ツアープレミアム」のオプション内容の詳細と注意点を確認していきたいと思います。
オプション内容の概要
オプション内容の概要は以下のようになっています。
<オプション内容の概要>
- カード年会費に2,200円(税込)をプラスしてツアープレミアムに登録し、対象割引運賃でJALグループ便にご搭乗の場合、通常のフライトマイルにツアープレミアムボーナスマイルが加算され、合計で区間マイルの100%マイルがたまります。
- また、JMB日本地区会員の方は「JMB旅プラス」自動入会となります。
「1」については、さきほどご紹介したとおりの内容になりますね。
この中の「JALグループ便」というのは、以下のJALグループ航空会社が運行するフライトになります。JAL本体だけでなく、沖縄や鹿児島などの離島便を運行しているJTAやJAC、RACも対象となるのは嬉しいポイントです。
<JALグループ航空会社>
- 日本航空(JAL)/日本トランスオーシャン航空(JTA)/日本エアコミューター(JAC)/琉球エアコミューター(RAC)
「2」についてですが、「JMB旅プラス」というのはあまり聞き覚えがない単語ですよね。
これは、JALのパッケージ旅行に関するお得な情報や特典を得られるサービスです。入会金・年会費など無料で利用することができますので、入っていて特に損をするものではありませんのでご心配なく(笑)。
「JMB旅プラス」の詳細については、以下公式ウェブサイトをご確認ください。
参考記事のタイトルとURLを入力してください
割引対象運賃
JALカード「ツアープレミアム」の割引対象運賃は以下になります。当然と言えば当然ですが、通常のフライトマイルが100%となる予約クラスは対象に入っていません。
<JAL国際線>
<JALグループ国内線>
この中で特にお得なのは「赤枠」の部分です。
ともに、通常のフライトマイルの積算率が「50%」のところ、ツアープレミアムに登録することで、倍の「100%」分のマイルを獲得することができます。これはなかなか魅力的ですよね。
注意点は以下になります。
「特典航空券」は、もともとフライトマイルの対象外ですが、「ツアープレムアム」のボーナスマイルも加算されません。
また、「ツアープレミアム」のボーナスマイルは、「FLY ON ポイント(FOP)」の加算対象にはなりませんのでこちらも注意が必要です。
<注意点>
- 特典航空券は対象外
- ボーナスマイル分には「FLY ON ポイント(FOP)」は加算されない
- パッケージツアーでは「JALマークが貯まる」マークがないと、対象外になる場合がある
以下では、国際線と国内線に分けて、「ツアープレミアム」の割引対象運賃についてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
国際線
国際線における「利用運賃カテゴリー」と「航空券面上のクラス」を一覧にしたものが以下になります。このうち、「青字」がツアープレミアムの対象、「赤字」がツアープレミアムの対象外となります。
<利用運賃カテゴリーと券面上のクラス一覧>
利用運賃カテゴリー | 航空券面上のクラス |
---|---|
ファーストクラス運賃(150%) | F・A |
ビジネスクラス運賃1(125%) | J・C・D・X |
ビジネスクラス運賃2(70%) | I |
プレミアムエコノミークラス・エコノミークラス運賃1(100%) | W・Y・B・E・R |
エコノミークラス運賃2(70%) | H・K・M・E |
エコノミークラス運賃3(50%) | L・V・S |
エコノミークラス運賃4(50%)*パッケージツアーの場合 | O・G・R |
エコノミークラス運賃5(30%) | O・G・Q・N |
プレミアムエコノミークラスの「E」については、現在は積算率「100%」ですが、2020年10月1日搭乗分から積算率が「70%」となるため、2020年10月1日搭乗分から「ツアープレミアム」の対象になります。
ちょっとわかりづらいですが、ビジネスクラスとプレミアムエコノミークラスについては、「ツアープレミアム」に登録していれば、基本100%以上のマイルが獲得できると考えれば大丈夫そうです。
一方で、エコノミークラスの場合は、一部「ツアープレミアム」の対象外の運賃があるため注意が必要となります。
スポンサーリンク
国内線
続いて、国内線における「利用運賃カテゴリー」と「該当運賃」を一覧にしたものが以下になります。このうち、「青字」がツアープレミアムの対象、「赤字」がツアープレミアムの対象外となります。
<利用運賃カテゴリーと該当運賃の一覧>
利用運賃カテゴリー | 該当運賃 |
---|---|
運賃1(100%) | 大人普通運賃、小児普通運賃、往復割引、身体障がい者割引、介護帰省割引、JALビジネスきっぷ、eビジネス、離島割引、国際線航空券に含まれる日本国内区間*1など |
運賃2(100%) | 特別乗継割引 |
運賃3(75%) | 先得割引、スーパー先得、ウルトラ先得、乗継割引28 |
運賃4(75%) | 特便割引1、特便割引3、特便割引7、特便割引21、特別往復割引、株主割引 |
運賃5(75%) | 乗継割引7 |
運賃6(75%) | 当日シルバー割引、おともdeマイル割引、スカイメイト |
運賃7(50%) | パッケージツアーに適用される個人包括旅行運賃など |
JALグループで国内線を利用する場合「先得」を利用することが多いと思いますが、これが対象になっているのは嬉しいポイントです(青字部分)。
一方で、「得便」は対象外になっているため注意が必要です(赤字部分)。旅行までの日程が近くなると「先得」は販売されておらず、「得便」しか出てこなくなります。
「先得」が販売されているのは旅行日程の「28日前まで」となりますので注意しましょう。
参考 先得運賃JAL
登録資格
登録資格は以下のようになります。「ツアープレミアム」はJALカードのオプオションサービスですので、JALカード会員であることが前提になります。
本会員、家族会員ともに登録可能ですが、申し込みはそれぞれ個別に必要です。つまり、登録料は会員ごとに別々に必要ということになります。
<登録資格>
- JALカード個人会員(本会員・家族会員)の方
- ※本会員・家族会員それぞれのお申し込みが必要です。
- ※法人会員の方は登録できません。
ちなみに、「ツアープレミアム」を登録できるのは、「(株)JALカード」が発行しているJALカードのみとなります。
「TOKYU CARD ClubQ JMBカード」や「イオンJMBカード」など、「(株)JALカード」が発行していないJMB提携クレジットカードからは、「ツアープレミアム」に登録できないため注意が必要です。
学生専用のJALカードである「JALカード navi」会員の場合、在学中は「年間登録手数料」無料で「ツアープレミアム」に登録することができます。とってもお得ですね。ただし、別途、申し込みは必要となっていますのでお忘れなく!
登録方法
「ツアープレミアム」の登録は、JALカード会員専用のオンラインサービスである「MyJALCARD」から行うことができます。
また、JALカードに未入会の方は、オンライン入会時に合わせて申し込むこともできます。
参考 TopMyJALCARD
JALカード「ツアープレミアム」の詳細については、以下公式ウェブサイトからもご確認いただけます。
参考 JALカード「ツアープレミアム」JAL
JALカード「ツアープレミアム」の損益分岐点
JALカード「ツアープレミアム」の登録料は「2,000円(税抜)」です。これは年額で必要となります。
そのため、「ツアープレミアム」に登録した方がお得かどうかの損益分岐点は、会員期間である1年間で「ツアープレミアム」で獲得できるボーナスマイルが1,000マイルを超えるかどうか、ということにになります。
(1マイル=2円以上の価値があるという前提)
国内線の場合
国内線の場合、距離が短い路線ではベースとなる区画マイルが少なくなるため、「ツアープレミアム」で獲得できるボーナスマイルも少なくなります。
例えば、「東京・大阪(片道)」で獲得できるボーナスマイルは「140マイル」になります(積算率50%運賃の場合)。
これだと、損益分岐点となる「1,000マイル」をボーナスマイルで獲得するためには「8回」の利用が必要になります。つまり、4往復以上でお得になるという感じですね。
一方で、国内線でも距離の長い「東京・沖縄(片道)」では、獲得できるボーナスマイルは「492マイル」と比較的多くなります(積算率50%運賃の場合)。
これだと、損益分岐点となる「1,000マイル」をボーナスマイルで獲得するためには2回(つまり往復)で「とんとん」、3回以上でお得になるという計算になります。
スポンサーリンク
国際線の場合
国際線の場合、国内線に比べるとベースとなる区画マイルが多くなるため、「ツアープレミアム」で獲得できるボーナスマイルも必然的に多くなります。
日本人の大好きなハワイを例にすると、「東京・ホノルル(片道)」で獲得できるボーナスマイルは「1,998マイル」になります(積算率50%運賃の場合)。この場合は、片道だけで損益分岐点を大きく上回ることができます。
距離の比較的に近い台湾の場合でも、「東京・台北(片道)」で獲得できるボーナスマイルは「665マイル」になります(積算率50%運賃の場合)。この場合でも往復で損益分岐点を大きく上回ることができます。
海外パッケージ旅行を年1回以上利用するのであれば、「ツアープレミアム」に登録しておいて損をするということはなさそうですね。
特に、ハワイを含むアメリカやヨーロッパなど長距離路線を利用したパッケージ旅行を年1回以上利用するのであれば、「ツアープレミアム」のお得さが高まります。
JALカード「ツアープレミアム」への登録がオススメの方
年1回以上の頻度でアメリカやヨーロッパなど長距離路線でJALパッケージツアーで利用する方におすすめ
ビジネス利用の場合、フライトマイルの積算率が100%以上となるチケットを利用する機会が多いでしょうから、「ツアープレミアム」への登録を考えるのは、個人利用(つまり自腹)でJALのフライトを利用する機会が多い方ということになります。
一番のオススメは、年1回以上の頻度で、ハワイを含むアメリカやヨーロッパなど長距離路線をJALパッケージツアーで利用する方です。この場合は、1回の利用で損益分岐点を上回ることができます。
比較的距離の短いアジア近辺でも、2回以上の利用で損益分岐点を上回ることができますので、このあたりは利用頻度と相談といった感じでしょうか。
国内線の利用がメインの場合、損益分岐点を上回るハードルが高くなります。場所(距離)と運賃種別にもよりますが、年4回から6回ほどのフライトが損益分岐点になりそうです。
<ツアープレミアムへの登録がオススメの方>
- 年1回以上の頻度で、ハワイを含むアメリカやヨーロッパなどのJALパッケージツアーを利用する
- 年2回以上の頻度で、台湾やシンガポール、クアラルンプールなどアジア近辺のJALパッケージツアーを利用する
- 年4回から6回以上の頻度で国内線のフライトを利用する
そう考えると、飛行機修行をして「JGC」を目指す方は、「ツアープレミアム」との相性が抜群ですね。「ツアープレミアム」ではFOPが増加する効果はありませんが、獲得マイルは増えますので、後々お得になります。
逆に、「陸マイラー」として飛行に乗らずにマイルを貯めて「飛行機に乗るのは特典航空券を発券した時だけ」という方は、「ツアープレミアム」に登録しても恩恵に預かることはできませんのでご注意ください。
まとめ
今回は、JALカード「ツアープレミアム」とは?という基本から、内容の詳細、注意点、損益分岐点まで解説していきました。
JALカード「ツアープレミアム」は、JALカードならではのサービスであり、利用方法によってはお得度がかなり高くなります。一方で、割引運賃やパッケージツアーを利用しない方に登録するメリットはありません。
年会費が必要なオプションサービスになりますので、自身の生活パータンから、登録するのがお得かどうかをご判断いただければと思います。
オススメのJALカードの選び方についてはこちらの記事で解説しております。
また、JALカード入会キャンペーンまとめはこちらになります。普通カード/CLUB-A/ゴールド/プラチナを一覧にしておりますのでぜひご参照ください。
それでは、また!