【改悪】JAL国内線特典航空券が変更不可に!変動マイル制度PLUS導入やファーストクラス追加など改善も!
JAL国内線運賃制度の変更が2023年4月12日搭乗分より適用されます。これに伴い「国内線特典航空券」もいくつかルール変更が実施される予定です。ファーストクラスが予約可能になるなど改善点もありますが、これまで無料であった「変更」ができなくなるなど改悪の側面強くなっています。以下で詳しくご紹介していきます。
更新履歴(2023年4月12日):国内線航空券のキャンセル料が従来の3,100円から1,000に引き下られました。記事にも追記しました。
目次
JAL国内線運賃制度の変更が2023年4月12日搭乗分より適用予定
複雑だった運賃ラインナップがシンプルな3種類に統合
JALでは、国内線運賃制度の変更が2023年4月12日搭乗分より適用される予定です。
大きな変更点としては、これでまで種類が多く複雑であった運賃ランナップがシンプルな3種類に統合されます。
普通運賃が「フレックス」、特便割引が「セイバー」、先特割引が「スペシャルセイバー」にまとめられた感じですね。
新運賃における主なルールはこちらになります。基本的には従来のルールを踏襲していますが、払戻手数料が「廃止」になり、取消手数料に統合される形になっています。
新運賃では割引運賃でも往復割引が適用
これまでは、特便や先特といった割引運賃では往復割引が適用されていませんでした。それがこれからは、セイバーとスペシャルセイバーといった割引運賃でも5%オフとなる往復割引が適用されます。
「往復セイバー」は5%の割引が適用される一方で出発55日以上前から取消手数料が「運賃額の約50%」と高額となるため注意が必要です。
お得な乗り継ぎ運賃が新設
これまでは、出発地と目的地間で直行便がないような場合、第1区画と第2区画の運賃を単純に足し合わせた運賃を支払う必要がありました。
それがこれからは、出発地と最終目的地までを1旅程とした形に運賃改定されます。これにより、2区画分の合計よりもお得な運賃で利用できるようになります。
JAL国内線運賃制度の変更の詳細についてはこちら公式サイトをご参照ください。
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JAL国内線特典航空券が変更不可に!変動マイル制の「PLUS」導入も!
JAL国内線特典航空券も2023年4月12日搭乗分から変更が適用に
さて、そんなJAL国内線運賃制度の変更に伴い、JAL国内線特典航空券の変更も合わせて行われます。
こちらも、適用されるのは2023年4月12日搭乗分からとなります。
JAL国内線特典航空券における変更は「改悪」の側面が強く
今回のJAL国内線特典航空券における変更は、中立と改善、改悪を織り交ぜた内容となっています。具体的には以下のようになります。
<JAL国内線特典航空券の変更>
- 中立
- マイル変動制「PLUS」の導入
- 改善
- 乗り継ぎ旅程用の必要マイル数の設定
- 対象クラスにファーストクラスが追加
- 国内線旅客施設使用料(PFC)が現金での支払いに変更
- 改悪
- ゾーンの刷新(3つから7つに)
- 予約変更不可
- おともdeマイル割引の廃止
- JALカード navi割引の固定マイル制廃止
改善点はあるものの、改悪点の方が数が多くインパクトの大きな内容が多くなってます。
そのため、全体感としては「改悪」という印象が強くなっています。
以下ではそれぞれの内容を確認していきたいと思います。
JAL国内線特典航空券の変更における改善点と改悪点を解説
中立
マイル変動制度「PLUS」の導入
まずは、マイル変動制度「PLUS」の導入です。「PLUS」というのはその名前のとおり、基本マイルに「プラス」して特典航空券を予約する制度です。
基本マイル数で空席がない場合でも、便ごとの予測残席数に応じた追加マイルを支払うことで予約できるようになります。
追加マイル数は、予約のタイミングや路線、人数により変動します。
マイル変動制度「PLUS」は、JAL国内線特典航空券では2018年12月に既に導入されていましたので「国内線でも遂にきたか」といった感じですね。
「PLUS」は基本マイル数で空席がない場合に「枠を追加」するものですので、マイルをたくさん持っている方にとっては「改善」と言えると思います。
ただし、基本マイル数で予約できる「枠」がこれからもずっと確保され続けるかはわかりません。「PLUS」の導入とともに基本マイル数で予約できる「枠」が減少するのであれば「改悪」となりますね。
そのためここでの評価は「中立」としています。直近では「改善」だけと将来は「不透明」といった感じですね。
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改善点
乗り継ぎ旅程用の必要マイル数の設定
国内線運賃制度の変更で「乗り継ぎ運賃」が新設されるのをご紹介しましたが、JAL国内線特典航空券でも歩調を合わせて「乗り継ぎ旅程用の必要マイル数」が設定されます。
乗り継ぎ回数や便数に関わらず「1つの出発地と1つの目的地」の単位で1旅程とみなして、その1旅程で必要マイル数を設定するというものですね。
これにより直行便の就航がない旅程においても直行便と同程度の必要マイル数となりますのでマイル数の節約になります。
これまで乗り継ぎ便を利用していた方にとっては朗報で「改善」と言えますね。特に地方の空港をメインで利用している方にとってはメリットが大きいのではないないでしょうか。
対象クラスにファーストクラスが追加
JAL国内線特典航空券の対象クラスに「ファーストクラス」が追加となります。
JAL国内線の座席クラスは「普通席」「クラスJ」「ファーストクラス」の3つで、「普通席」に加えて「クラスJ」は既にマイルで予約可能となってました。
これに最上位である「ファーストクラス」が遂に加わるというわけですね。
羽田を起点とした場合の主要路線の必要マイル数(片道)は以下になります。カッコ内の数字は「PLUS」を利用した場合の最大マイル数です。
<主要路線の必要マイル数(片道)>
普通席 | クラスJ | ファーストクラス | |
羽田-伊丹 | 6,000(19,500) | 7,000(20,000) | 12,500(23,000) |
羽田-札幌・福岡 | 8,000(33,000) | 9,500(34,500) | 16,000(33,000) |
羽田-沖縄 | 9,000(37,500) | 11,000(39,000) | 18,000(37,000) |
羽田-宮古・石垣 | 10,000(43,000) | 13,000(45,000) | 20,000(50,500) |
これを見ると、ファーストクラスで必要となるマイル数は普通席の「約2倍」となっているのがわかりますね(基本マイル数の場合)。
一方で面白いのが「PLUS」の最大マイル数は普通席やクラスJとほとんど変わらない設定になっているところです。
普通席やクラスJの残席数によっては、ファーストクラスの方が必要マイル数が少ないといった逆転現象が見られるかもしれません。
いずれにしても、ファーストクラスがJALマイルで予約可能になるというのは、選択肢が増加するという点で「改善」と言えますね。
ファーストクラスの場合、空港ラウンジも「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」を利用できますし、機内食も豪華でアルコールも飲み放題と、至れり尽くせりのサービスを受けられます。
記念日やたまの長期休暇などのタイミングに、ご褒美的に利用したいものですね。
国内線旅客施設使用料(PFC)が現金での支払いに変更
JAL国内線特典航空券では、2021年10月31日申込分から「旅客施設使用料(PFC)」が徴収されていました。
JALの場合、このPFCの徴収が「マイル」で行われていたため、実質的な必要マイル数の値上げになっていました。
しかしながら、さすがにマイルでの徴収は評判が悪かったようで、今回「現金」での徴収に変更が加わりました。
ライバルであるANAは導入当初から現金での徴収になっていましたので、他社と合わせる形での変更となりますね。
「旅客施設使用料(PFC)」の具体的な金額は以下のようになっています。
<旅客施設使用料(PFC)>
発着空港 | 大人(12歳~) | 小人(3歳~11歳) |
---|---|---|
新千歳空港 | 270円 | 140円 |
仙台空港 | 230円 | 120円 |
羽田空港 | 290円(370円)*1 | 140円(180円)*1 |
成田空港 | 450円 | 220円 |
中部空港 | 440円 | 220円 |
伊丹空港 | 260円(340円)*1 | 130円(170円)*1 |
関西空港(第1ターミナル) | 440円 | 220円 |
福岡空港 | 110円 | 50円 |
北九州空港 | 100円 | 50円 |
那覇空港 | 120円(240円)*2 | 60円(120円)*2 |
- ()内は2022年3月1日以降の搭乗分かつ、以下の航空券が対象です。
・2022年3月1日(火)以降に新規購入された航空券
・2022年2月28日(月)までに購入し、全区間未使用のまま3月1日以降に変更手続きを行った航空券 - ()内は2022年3月27日以降の搭乗分かつ、以下の航空券が対象です。
・2022年3月1日(火)以降に新規購入された航空券
・2022年2月28日(月)までに購入し、全区間未使用のまま3月1日以降に変更手続きを行った航空券
これまでの必要マイル数と現金が「1:1」にスライドする形になっています。マイルの価値は「1マイル=2円以上」と言われていますので、基本的には値下げとなりますね。
「旅客施設使用料(PFC)」自体が最近追加になったものですので、手放しで「改善」とは言いずらいところもありますが、マイルから現金に変更になった点は朗報と言えますね。
改悪点
ゾーンの刷新(3つから7つに)
JAL国内線特典航空券の場合、従来AからCの3つの区間(ゾーン)で必要マイル数が分かれていました。それが新たにAからGの7つのゾーンに変更されます。
これまでの3つのゾーンで必要となるマイル数は以下になります。1区画で6,000マイルから10,000マイルとなっています。
<従来のゾーンと必要マイル数>
ゾーン | 必要マイル数(1区画) |
A | 6,000マイル |
B | 7,500マイル |
C | 10,000マイル |
そして、新しく適用される7つのゾーンで必要となるマイル数は以下になります。カッコ内の数字は「PLUS」を利用した場合の最大マイル数です。
1区画で4,000マイルから10,000マイルとなっています。
<新たなゾーンと必要マイル数>
ゾーン | 必要マイル数(1区画) |
A | 4,000マイル(15,500マイル) |
B | 5,000マイル(18,500マイル) |
C | 6,000マイル(19,500マイル) |
D | 7,000マイル(26,000マイル) |
E | 8,000マイル(33,000マイル) |
F | 9,000マイル(37,500マイル) |
G | 10,000マイル(43,000マイル) |
この表をみると必要マイル数が細分化されているのがわかりますね。
メリットとしては、必要マイル数が4,000マイルからと、従来の6,000マイルからに比べて少ないマイル数から予約可能になっている点です。
逆にデメリットは、必要マイル数が増えている路線があるところです。
例として、羽田を起点とした場合の主要路線の必要マイル数(1区画)を比較すると以下のようになります。カッコ内の数字は「PLUS」を利用した場合の最大マイル数です。
<主要路線の必要マイル数の比較(片道)>
路線 | 従来の必要マイル数(1区画) | 新たな必要マイル数(1区画) |
羽田-伊丹 | 6,000マイル | 6,000(19,500) |
羽田-福岡 | 7,500マイル | 8,000マイル(33,000マイル) |
羽田-札幌 | 7,500マイル | 8,000マイル(33,000マイル) |
羽田-沖縄 | 7,500マイル | 9,000マイル(37,500マイル) |
「羽田-札幌」や「羽田-札幌」は500マイル増と影響は軽微ですが、「羽田-沖縄」に関しては1,500マイル増と、必要マイル数が大きく増加しているのが確認できます。
実は、ANAマイルと比較したJALマイルのメリットの一つが、この「羽田-沖縄」路線の必要マイル数が少なく済むという点でした。
<ANA「羽田-沖縄」路線の必要マイル数(片道)>
路線 | L(ローシーズン) | R(レギュラーシーズン) | H(ハイシーズン) |
羽田-沖縄 | 7,000 | 9,000 | 10,500 |
これが、今回の変更でANAの「レギュラー」ジーズンにおける必要マイル数と同等に設定されたということで、JALのスイートスポットが塞がれたような形になっていますね。
ゾーンの刷新については、一部については改善されているところはあるものの、全体的には微増な傾向であり、特にお得であった「羽田-沖縄」路線の必要マイル数が修正されている点を考えると「改悪」と言えそうです。
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予約変更不可
今回のJAL国内線特典航空券の変更で一番インパクトがあるのがこの「予約変更不可」という点です。
これまでは、日付や便・クラスの変更については「無料」で行うことができました。しかも、変更は予約便の出発時間前まで(JAL Webサイトでは出発時間の20分前まで)可能となってました。
また、搭乗日当日出発空港で、予約便より前の便で同一区間に空席がある場合は、チェックインカウンターで変更してもらうということも可能でした。
この予約変更の柔軟性の高さが、JAL国内線特典航空券の大きなメリットの一つとなっていました。
これが、今回の変更で「予約変更不可」となってしまいます。変更する場合は一度キャンセルする必要があるため、1名1特典につき3,100円の払戻手数料が発生(注)してしまいます。
合わせて、搭乗日当日出発空港でのチェックインカウンターでの変更も廃止されてしまいます。
これは、誰にとっても大きな「改悪」と言えますね。JAL国内線特典航空券の大きなメリットが失われる変更となってしまい、とても残念です。
国際線特典航空券のキャンセル料は2023年4月12日搭乗分から1,000円に引き下げになりました。これは朗報ですね。
JALカードには、学生専用の「JALカードnavi」が用意されています。この「JALカードnavi」のメリットの一つが常時開催さている「減額マイルキャンペーン」です。
これを利用すると、路線(目的地)に関わらず、1区画3,000マイル、2区画で6,000マイルで特典航空券が発券可能となっています。
通常であれば必要マイル数の多い、沖縄路線などで利用することでお得度が非常に高くなっていました。
例えば、「羽田-沖縄」路線の場合、必要マイル数は4,500マイル少なくて済みますので、割引率として60%と非常に高い値になっています。
<減額マイルキャンペーンのお得度(例)>
通常マイル(1区画) | 減額マイルキャンペーン(1区画) | お得度(割引率) |
|
羽田-沖縄 | 7,500マイル | 3,000マイル | 4,500マイル(60%) |
これが、固定マイル制が廃止となり「JAL国内線特典航空券の各ゾーンおよび乗り継ぎ旅程の基本マイルの一律50%」へ変更となります。
50%ということでこれでも十分すぎるほどお得なのですが、現状ではそれ以上の割引率も実現可能となっている点を考えると「改悪」と言えますね。
ちなみに、さきほどご紹介した「予約変更不可」は、残念ながら「JALカードnavi」の減額マイルキャンペーンを利用して特典航空券を発券した場合にも適用されます。
重ね重ね、この「予約変更不可」は影響が大きいですね。
おともdeマイル割引の廃止
JALには「おともdeマイル」というグループ割引制度があります。
これは、2名から4名までのグループで利用できるもので、代表者1人がマイルで、同伴者は特別な割引運賃を利用できるというものです。
家族連れや学生グループなどに人気があり、使い方によっては10万円以上お得になることもあります。
この「おともdeマイル」も今回の変更で「廃止」されることになりました。
これも「おともdeマイル」をうまく活用している方にとっては「改悪」と言えます。このようなユニークな制度がなくなってしまうのはなんだか寂しいですね。
まとめ
今回は、2023年4月12日搭乗分より適用されるJAL国内線特典航空券におけるルール変更についてご紹介しました。
今回の変更は、中立と改善、改悪を織り交ぜた内容となっていました。
<JAL国内線特典航空券の変更>
- 中立
- マイル変動制「PLUS」の導入
- 改善
- 乗り継ぎ旅程用の必要マイル数の設定
- 対象クラスにファーストクラスが追加
- 国内線旅客施設使用料(PFC)が現金での支払いに変更
- 改悪
- ゾーンの刷新(3つから7つに)
- 予約変更不可
- おともdeマイル割引の廃止
- JALカード navi割引の固定マイル制廃止
記事の中で確認したとおり、改善点はあるものの、改悪点の方が数が多くインパクトの大きな内容となっていました。そのため、全体感としては「改悪」という印象が強くなってしまいますね。
特に、「予約変更不可」というのは、特典航空券の大きなメリットの一つである「柔軟性の高さ」を失わせるものであり、とても残念です。
国内線旅客施設使用料(PFC)の徴収がマイルから現金に見直されたように、JALにはなんとか思いとどまって欲しいところではありますね。
一方で、個人的には国内線「ファーストクラス」にマイルで乗れるようになる点については大きなメリットと感じています。
コロナ禍で海外旅行が行きづらくなっている状況を考えると、行き場をなくしたJALマイルを国内線「ファーストクラス」で活用するのも楽しそうですよね。
それでは、また!
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