ロストバゲージ発生!その対応手順と保険、クレジットカードの補償は?
香港でロストバゲージに遭遇しました。海外旅行に出かけるようになってから、かなりの時間が経ちますが、今回が初めての経験です。ロストバゲージには、実は2種類の意味があります。ディレイドバゲージ(受託手荷物遅延)と、本来の意味でのロストバゲージ(受託手荷物紛失)のです。我々が今回経験したのは、正確にはディレイドバゲージの方で、我々の手荷物は10時間以上も遅れた深夜にホテルに届けられました。今回の記事では、私の実際の経験をもとに、ロストバゲージ発生時の対応手順と、航空会社側およびクレジットカード側の補償内容などご紹介したいと思います。
目次
ロストバゲージ発生!前回までの流れ
中国東方航空を利用して、羽田空港から上海浦東国際空港を経由、香港国際空港に到着しました。
羽田空港から上海浦東国際空港への到着時刻が1時間遅延したことにより、上海浦東国際空港での乗り継ぎ時間が55分という、非常に短い時間になってしまいました。
空港係員の方の協力を得て、人間はなんとか乗り継ぐことに成功しました。
ですが、預けてあった荷物はついて来られなかったようで、香港国際空港で待てど暮らせど、我々の荷物はやってくる気配がありません・・。
そうです、香港国際空港という遠い異国の地で、我々の預けてあった手荷物は「ロストバゲージ」してしまいました(涙)。
私は、結構海外旅行を経験している方だとは思いますが、ロストバゲージは、今回が初めての経験になりました。
上海浦東国際空港での乗り継ぎについては、こちらの記事をご参照ください。
ロストバゲージとは
「ロストバゲージ」とは、その名前のとおり、手荷物が行方不明になってしまうことです。ただ、「ロストバゲージ」は広い意味合いがあり、正確にいうと、2種類に分けられます。
それは、ディレイドバゲージ(受託手荷物遅延)と、ロストバゲージ(受託手荷物紛失)、の2種類です。
到着は遅れたけど、手荷物が最終的に手元に届けられた場合は「受託手荷物遅延(ディレイドバゲージ)」、逆に、最終的に手荷物が紛失してしまい手元に戻ってこなかった場合は「受託手荷物紛失(ロストバゲージ)」ということになります。
ただ、これは結果論なので、空港で手荷物を受け取ることができず、最終的に手元に戻ってくるのかわからない状態では、広い意味で「ロストバゲージ」という言い方をします。
<ロストバゲージの意味:広義>
- ディレイドバゲージ(受託手荷物遅延)と、ロストバゲージ(受託手荷物紛失)、両方を含む
<ロストバゲージの意味:狭義>
- ロストバゲージ(受託手荷物紛失)のみを指す
ロストバゲージ発生時の対応手順(理論編)
到着時の空港で、預けてあった手荷物を発見できなかった場合、つまりロストバゲージが発生した場合は、以下の対応手順を実施します。
<ロストバゲージ発生時の対応手順>
- 手荷物受け取り場(ターンテーブル)付近にいる空港係員の方に相談し、全ての手荷物が排出されたことを確認
- (1)で駄目だった場合、手荷物問い合わせ窓口に相談
手荷物受け取り場(ターンテーブル)付近にいる空港係員の方に相談
まずは、手荷物受け取り場(ターンテーブル)付近にいる空港係員の方に相談して、全ての荷物が排出されたことを確認します。
場合によっては、まだ全ての手荷物が排出されていない可能性もありますからね。
その後、全ての手荷物が排出されても自分の手荷物が発見できない場合は、次の「手荷物問い合わせ窓口」に相談します。
手荷物問い合わせ窓口に相談
「手荷物問い合わせ窓口」では、手荷物を預けた時に受け取った引換証(バーコードが付いているもの。よく航空券に貼り付けられますよね)で、手荷物の状況を確認してくれます。
ここで、自分の預けた手荷物が、前の空港に置き去りになっているのか、どこか別の空港に行ってしまったのか、別の誰かが持って行ってしまったのか、などの、大枠の状況を把握することができます。
ですので、手荷物を預けた時に受け取った引換証(バーコード)は、絶対になくさないように注意しましょう。
これが命綱です。
ロストバゲージ発生時の対応手順(香港国際空港の実践編)
私が香港国際空港で経験した対応手順も、まさに上記のとおりです。
手荷物受け取り場(ターンテーブル)の様子
飛行機を着陸後、入国審査を経て、手荷物受け取り場(ターンテーブル)に向かいます。
その後、手荷物受け取り場(ターンテーブル)で自分の手荷物がやってくるのを待つわけですが、待てど暮らせど、我々の荷物はやってこず・・。
30分ぐらいまって、人もまばらになってくると「これはいよいよヤバイ」と感じ始めます。
そこで、近くにいた空港係員の方に相談すると、全ての手荷物は排出されているから、ロストバゲージの可能性が高い。「手荷物問い合わせ窓口」に行くように、と指示されました。
手荷物問い合わせ窓口の様子
香港国際空港の場合「手荷物問い合わせ窓口(Baggage enquiry Desk)」は、広い手荷物受け取り場(ターンテーブル)の中央辺りにあります。
こちらの看板が目印です。中国語や英語がわからなくても、手荷物の上の「?(はてなマーク)」で、なんとなく意味がわかりますね。
近づいて見ると、利用した航空会社によって、並ぶ列が異なっているようです。
ですので、自分が利用した航空会社が記載されていることを確認して、列に並びます。我々の場合は、今回「中国東方航空」だったので、これが含まれていることを確認しました。
列に並んで自分の順番が来ると、状況を説明する必要があります。係の方はもちろん英語ができるのですが、これはなかなかハードルが高いです。
ただ、チケットを見せながら、「多分ロストバゲージだと思う」みたいなことを伝えると、状況を調べに向かってくれました。
列の前には、同じ便の同じビジネスクラスの方もいらっしゃったので、状況は既に把握されているっぽかったです。
係の方が戻って来ると、我々の荷物は、まだ上海浦東国際空港にあり、後続便でやって来るので、今日中に届けることができる見込みだ、ということでした。
ということで、手荷物の特徴(スーツケースのメーカーや色など)と、宿泊先のホテル、連絡先を書類に書くように指示され、その書類を埋めて渡すことで、手続きを実施しました。
手続きが終了すると、こんな感じの「Property Irregularity Report(PIR)」の控えが手渡されます。自分の手荷物が戻って来るまで、大切に保管するようにしましょう。
ロストバゲージ発生の影響と結果
今回ロストバゲージが発生したことで、「手荷物受け取り場(ターンテーブル)」でも30分ぐらい待っていましたし、「手荷物問い合わせ窓口」でも手続きに30分ぐらいかかりました。
したがって、合計では1時間ほど必要になりました。
せっかく海外旅行に来たのに、不可抗力とは言え1時間も時間が無駄になるのはもったいないですね。
また、精神的にも、ぐっと疲れてしまいました・・。
そして、最終的に、我々の手荷物がホテルに届けられたのは、深夜の1時半でした。香港国際空港への到着は14時55分でしたので、約10時間半の遅延が発生したことになります。
この間、スーツケースに入れてあった着替えや生活用品は一切使えないわけで、とても不自由な思いをしました。
ということで、結果として、今回のロストバゲージのアクシデントは、最終的には手元に手荷物が戻ってきましたので、狭義では「ディレイドバゲージ(受託手荷物遅延)」だった、ということになります。
ロストバゲージ発生!保険、補償は?(航空会社側)
まず、ロストバゲージが発生した場合の航空会社側の補償内容です。これは、各航空会社によって規定が異なると思われます。
ここでは例として、私が今回実際に利用した「中国東方航空」の場合を例にあげたいと思います。
中国東方航空の補償内容
「中国東方航空」のロストバゲージ発生時の補償内容については、公式HP等に記載されています。
以下はその抜粋になります。今回は「手荷物遅延」ですので、該当する部分を赤字にしています。
ざっとまとめると「21日以内に書面で申請すれば、エコノミークラスでは300人民元、ビジネスクラスでは400人民元、ファーストクラスでは500人民元を受け取れる」という内容になります。
私が今回利用したのはビジネスクラスですので、400人民元(=約6,800円)を受け取れるということになります(夫婦二人なので、合計では倍の800人民元かな)。
ということで、喜び勇んで、中国東方航空の日本の支店に電話してみたところ、
日本支店では補償に関する申請は受け付けられないので、香港の支店に自分で直接電話して交渉しろ、という様につきはなされました(涙)。
香港の支店は、当然ながら、英語か中国語しか対応できません。
ですので、メールならなんとかなるかと、メールアドレスを教えてくださいとお願いしましたが、メールアドレスは公開していないので、自分で国際電話して、英語か中国語で交渉しろ、の一点張り。
これは、英語も中国語も堪能でない私にとっては、申請するなと言われているようなもので、とてもショックでしたね。
海外の航空会社だと、こういうアクシデントの時に、急にはしごを外される場合がありますので怖いです。
また、なんのために日本に営業所を置いているのかと、顧客対応にがっかりしてしまいました。
<ロストバゲージ発生時の補償内容(中国東方航空)>
1. 手荷物サービス
- お客様の手荷物が目的地に予定どおりに到着しない場合、または手荷物が破損している場合は、ラウンジの手荷物サービスカウンターに状況をお知らせください。できるかぎりお手伝いをさせていただきます。
2. 補償および訴訟
- 手荷物の破損に対する補償の対象となるお客様は、受託手荷物のお受け取り後7日以内に中国東方航空に書面による申し立てを提出する必要があります。
- 手荷物の遅延に対する補償の対象となるお客様は、受託手荷物のお受け取り後21日以内に中国東方航空に書面による申し立てを提出する必要があります。
- 訴訟は、航空機が目的地に到着してから2年以内に(例えば、到着)、または関係するフライトがキャンセルされる前に解決されなければなりません。それ以外の場合、訴訟は無効になります。
3. 補償基準
国内線:
- 受託手荷物が破損または紛失した場合、1kg(2.2lbs)あたり100人民元(または相当の外国通貨)まで補償されます。手荷物の価額が1kg(2.2lbs)あたり100人民元(または相当の外国通貨)以下の場合は、実際の価値に従って補償されます。
国際線:
- ワルシャワ条約に基づく手荷物の補償額の上限は、1kgあたり17SDR*です。手荷物の実際の損失がこの基準を下回る場合、実際の損失に基づいて補償されます。機内持ち込み手荷物の補償額の上限は332SDR*です。
- モントリオール条約に基づく手荷物の補償額の上限は、1kgあたり30米ドル*(または相当額の外貨)です。手荷物の実際の損失がこの基準を下回る場合、実際の損失に基づいて補償されます。適切な証拠が提示された場合、受託手荷物および機内持ち込み手荷物の補償額の上限は旅客1名に対して1,131SDR*です。
- 手荷物の重量が判定できない場合、中国東方航空は各クラスの1名あたりの無料手荷物許容量の重量の上限に基づいて補償を行います。
- 手荷物の到着が遅延した場合、エコノミークラスでは300人民元、ビジネスクラスでは400人民元、ファーストクラスでは500人民元(いずれも相当額の外貨)の補償額を一度限りお支払いします。
- 手荷物の受け取りは、手荷物の輸送に関する中国東方航空の規定に従って確認するものとします。
- 手荷物の保険に加入されているお客様には、保険会社への請求に必要な書類をご用意します。
- *SDR(Special Drawing Rights)とは、国際通貨基金が定める特別引出権のことです。1SDRは約1.37米ドルです。為替レートは変動する可能性があります。
ロストバゲージ発生!保険、補償は?(クレジットカード側)
さて、続いては、クレジットカードの補償です。クレジットカードによっては、利用付帯や自動付帯で、ロストバゲージの補償を行ってくれるものがあります。
私が手持ちのクレジットカードの中で調べたところ、「SPGアメックス」と「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」で、海外旅行におけるロストバゲージに対する自動付帯の補償を提供していました。
アメックスの補償内容(航空便遅延費用補償)
以下は「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の航空便遅延費用補償(海外旅行)の内容になります。赤枠で囲った部分が「受託手荷物遅延」に対する補償内容になります。
「SPGアメックス」でも、補償内容は同じになります。これは、海外旅行に対する補償なので、国内旅行は対象外です。
受託手荷物遅延(ディレイドバゲージ)に対する補償内容
「受託手荷物遅延」に対する補償内容を抜粋すると以下になります。
ポイントは赤字の部分で、まず、手荷物受け取り遅延が6時間以上でないと、補償を受けることができない、というところです。
6時間以内の遅延は補償の範囲外です。また、補償されるのは、衣類や生活必需品の購入費用の2万円までとなっています。
航空便が目的地に到着してから6時間以内に、カード会員様の身の回り品で搭乗時に航空会社が受託した手荷物が目的地に運搬されなかったために、会員様が目的地において負担した衣類や生活必需品の購入費用を2万円まで補償します。
注意点としては、実費精算が基本なのでレシートが必要なことと、補償されるのは衣類や生活必需品(下着やパジャマ、歯ブラシなど)であって、食事代などは補償されないということ。
また、補償されるのは、手荷物が到着するまでに利用した分に限られます(この辺りは、アメックスのサポートに電話して聞いてみました)。
ただ、2万円あれば当日必要なものぐらいは十分調達できると思われ、とても心強いですね。
また、補償を受けるには、申請書をアメックスから郵送してもらって、それを記入後に提出、内容が承認される必要があります。
利用したのが、衣類や生活必需品なのか、金額は妥当か、といった審査が入るそうです。この辺は、ちょっとめんどくさいですね。
お得情報としては、私のように「SPGアメックス」と「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」の両方を持っている場合は、補償金額の上限が合算の4万円(=2万円+2万円)になるそうです。
このあたり、アメックスの補償はとてもしっかりしていて、何かあった時に頼りになる印象です。
受託手荷物紛失(ロストバゲージ)に対する補償
次に、受託手荷物紛失に対する補償は以下になります。
ポイントは赤字の部分で、手荷物が48時間以上たっても手元に到着しなかった場合、紛失扱いになるということです。
48時間以上経過すれば、それ以降、手元に手荷物が到着しても、紛失扱いとして手厚い補償が受けられるます。
まず、補償額が2万円から4万円に増額になります。
航空便が目的地に到着してから48時間以内に、受託した手荷物が目的地に運搬されなかった場合、手荷物は紛失したものとみなし、到着後96時間以内に目的地において負担した衣類や生活必需品の購入費用を4万円まで補償します。
さらに、この補償額は「受託手荷物遅延(ディレイドバゲージ)」の補償額であった2万円と合算可能ですので、合計では、なんと6万円まで補償されます。
6万円あれば、かなりのものが調達できます。さすが、アメックスです。補償が手厚いです。
海外旅行に行くならアメックスで決まりですね!
アメックスカードの入会キャンペーンの最新情報はこちらにまとめています。ぜひ合わせてご参照ください。
ちなみに、ANAマイラーであれば多くの方が持っているであろう「ANA VISAワイドゴールドカード」の場合は、手荷物に対する補償は国内旅行に対する利用付帯のみになっています。
海外旅行では手荷物に対する補償はありませんので、ご注意してください。
香港・シンガポール旅行2018のスケジュール
今回の香港・シンガポール旅行のスケジュールは以下になります。全体としては、5泊6日のスケジュールで、香港に2泊、シンガポールに3泊というスケジュールになります。
今回の記事は、旅行1日目の、香港国際空港でのロストバゲージに遭遇した様子をご紹介しました。
<スケジュール概要>
- 1日目:羽田から香港に移動(MU576、MU503便)、JWマリオット(香港)宿泊 <=今ココ
- 2日目:ザ・リッツカールトン(香港)宿泊
- 3日目:香港からシンガポールに移動(SQ863)、コンラッド(シンガポール)宿泊
- 4日目:セントレジス(シンガポール)宿泊
- 5日目:シェラトン・タワーズ(シンガポール)宿泊
- 6日目:シンガポールから成田に移動(DL166)
今回の、香港・シンガポール旅行の全体的な計画についてはこちらをご参照ください。
SPGアメックスと陸マイラー活動で貯めたマイルで、高級ホテルのスイートやビジネスクラスを利用した豪華な海外旅行を低コストで実現しています。
最近でも約182万円が必要となるハワイ旅行を18万円ほどの手出しだけで実現しています。ハワイ旅行の費用はこちらに公開しておりますのでぜひご参照ください。
まとめ
今回の記事では、私の実際の経験をもとに、ロストバゲージ発生時の対応手順と、航空会社側およびクレジットカード側の補償内容などをご紹介しました。
今回、ロストバゲージを経験して、いろいろ調べてわかったことは、航空会社の補償(および対応)は、あまり期待できない、ということです。
中国東方航空の対応が特に良くなかっただけなのかもしれませんが、ちょっとがっかりしました。
一方で、クレジットカード、特に、アメックスの補償(および対応)はとても頼りになりました。ちょっと電話で聞いてみると、なんでもサポートします、という気持ちが全面に出ていて、とても気持ちの良いものでした。
今回は、事前にロストバゲージに対する補償の知識がなかったので、補償の申請をするところまではいきませんでしたが、アメックスを持っていてよかった、と思いました(セールストークではなしにですよ)。
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<香港・シンガポール旅行記の目次>
香港・シンガポール旅行記2018:全体の目次、記事一覧はこちら!
それでは、また!
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