JALの「新型コロナウィルス」の感染拡大によるJALマイレージバンク(JMB)会員に対する救済策が3月25日に発表になりました。内容としては対象期間で獲得した「FLY ON ポイント(FOP)」を2倍にするというものと、マイル&eJALポイントの有効期限を延長するというものです。「新型コロナウィルス」への特別対応については、ANAが先行して発表しており、JALの動向に注目が集まっていました。「FOP2倍」というのは、ほぼ横並びの内容になっています。以下で順番に確認していきたいと思います。
- 更新履歴(2020年4月25日):2020年度のステータス延長の発表を追記しました
- 更新履歴(2020年5月8日):2020年5月10日までの予約分をもって中止となる発表がされました
- 更新履歴(2020年5月20日):マイルおよびeJALポイントの延長期限が9月末までに変更されました
2020年5月8日に、こちらの「FOP2倍」の特別対応が2020年5月10日までの予約分をもって中止となる発表がありました。発表レターはこちらになります。
発表内容は以下になります。
新型コロナウイルス拡大に伴い実施しておりますFLY ON ポイント2倍の特別対応につきましては、政府からの緊急事態宣言の延長を受けて、不要不急のご搭乗を控えていただく観点から、2020年5月10日(日)までにご予約された便をもちまして特別対応を中止させていただきます。
「不要不急のご搭乗を控えていただく」というのは、ステータス修行のことを指していますよね。ニュースで取り上げられたこともあり、やはり問題になっていたんでしょう。ANAも続くのでしょうか・・。
目次
JAL「新型コロナウィルス」感染拡大によるJALマイレージバンク(JMB)会員に対する救済策
2020年3月25日にJALの「新型コロナウィルス」感染拡大によるJALマイレージバンク会員に対する救済策が公式HPで発表になりました。リンクは以下になります。
救済策の内容としては、大きく以下の2つになります。「1」「2」ともに、対応期間や対応方法に若干異なる部分があるものの、先行して対応を発表していたANAと横並びの内容になりました。
<救済策の概要>
- マイル・eJALポイントの有効期限延長
- FLY ON ポイント(FOP)の積算率を通常の2倍
ANAと横並びの内容ということでサプライズはありませんが、いざ現実になってみると「FOP2倍」というのは、改めて衝撃的な内容となりました。
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マイル&eJALポイント有効期限の延長
まずは、1つ目の「マイル・eJALポイント有効期限の延長」から見ていきましょう。発表内容は以下になります。
<マイル・eJALポイント有効期限の延長>
- 2020年2月から2020年
7月末9月末までに有効期限をむかえるマイルとe JALポイントについて、有効期限1年間のe JALポイントを積算いたします - ※有効期限をむかえたマイルは、1マイルを1.5 e JALポイント換算として、e JALポイントを積算いたします。(小数点以下は切り上げ)
- ※有効期限をむかえたe JALポイントは、同数のe JALポイントを積算いたします。
2020年2月3から2020年7月末9月末までに有効期限を迎える「マイル」および「eJALポイント」について、有効期限1年間の「eJALポイント」が積算されます。
「マイル」については単純な有効期限の延長でなく、「eJALポイント」として積算されるのが特徴になっています。ANAの場合は「ANA SKYコイン」の単純な有効期限の延長でしたので、JALは内容をちょっと変えてきましたね。
また、「マイル」から「eJALポイント」に交換される場合、積算率は「1.5倍」が適用されます(つまり、1マイルが1.5eJALポイントになる)。
この積算率1.5倍が適用されるのは、通常であれば10,000マイル以上を交換した場合のみですので、有効期限切れを迎えるのが10,000マイル未満の方は「ちょっとお得」ということになりますね。
この有効期限の延長措置を受けるには「事前登録」が必要になります。「事前登録」は冒頭にご紹介した公式ウェブサイトから行うことができます。
その他、適用条件の詳細は以下になります。合わせてご確認ください。
<対象のお客さま>
- 事前登録をいただいたJALマイレージバンク(JMB)会員の方
<事前登録期間>
- 2020年3月26日(木)~
7月31日(金)9月30日(水)(日本時間)
<内容>
- 期間中に事前登録が必要となります。
- 有効期限をむかえたマイルは、1マイルを1.5 e JALポイント換算として、e JALポイントを積算いたします。(小数点以下は切り上げ)
- 有効期限をむかえたe JALポイントは、同数のe JALポイントを積算いたします。
- 有効期限をむかえたマイルおよびe JALポイントは一旦失効しますが、事前登録いただいた翌月下旬ごろに、積算日から1年後の同月末を有効期限とするe JALポイントを積算いたします。
- 一度事前登録をいただいた後は、対象期間中に有効期限をむかえるマイルおよびe JALポイントは全て、特別対応の対象とさせていただきます。
<積算時期>
- 事前登録をした月までに有効期限をむかえたマイルおよびe JALポイントがある場合は、事前登録した月の翌月下旬頃に積算いたします。
- 事前登録をした後に、対象期間中に有効期限をむかえるマイルおよびe JALポイントは、有効期限をむかえた翌月下旬頃に積算いたします
<e JALポイント 残高の表示>
- 明細内容(マイル→e JALポイントへの積算分):新型コロナ特別調整ポイント(マイル失効分)
- 明細内容(e JALポイント→e JALポイントへの積算分):新型コロナ特別調整ポイント(e JAL失効分)
FLY ON ポイント(FOP)の積算率を通常の2倍
続いては、2つ目の「FLY ON ポイントの積算率を通常の2倍」を見てみましょう。発表内容は以下になります。
<FLY ON ポイントの積算率を通常の2倍>
- 2020年2月1日(土)から2020年7月31日(金)までのJALおよびJALグループ運航便のご搭乗で獲得されたFLY ON ポイントを通常の2倍として積算いたします。
2020年2月1日から2020年7月31日までの期間で獲得した
FLY ON ポイント(FOP)が2倍になるという内容です。
ANAの場合、対象期間は1月から6月でしたが、JALは2月から7月ということで1ヶ月ずらしての対応になりました。1月はまだ新型コロナウィルスの影響はそれほどなかったと思いますので、個人的にはJALの期間の方が妥当かなと思います。
逆に、1ヶ月ずらしてもらったことで、6月や7月などの後半は、新型コロナウィルスの感染が収まっているような状況があれば、安心して「JGC修行」することもできます。早く治ると良いのですが・・。
ちなみに、こちらの「FLY ON ポイントの積算率を通常の2倍」は自動的に適用になりますので、「事前登録」など特別な申請は必要ありません。
対象期間、路線、運賃等の詳細は以下になります。今回の対応策は「国内線・国際線全路線」が対象になります。また、「フライトマイル積算対象運賃」であれば「全クラス・全運賃」が対象になります。ものすごいことですね。
<対象のお客さま>
- 対象期間中にご搭乗いただいたJALマイレージバンク(JMB)会員の方
- ※ご搭乗実績に応じて積算いたしますので、お客様ご自身で申請していただく必要はありません。
<対象期間>
- 2020年2月1日(土)から2020年7月31日(金)ご搭乗分まで
- 2020年2月1日(土)以降、すでにご搭乗いただいた実績に対しても、通常の2倍のポイントを積算させていただきます。
- 2020年2月1日(土)から3月31日(火)までの積算分は、4月末までに一括で積算させていただきます。
- 2020年4月1日(水)積算分以降は、通常のFLY ON ポイントと同時に積算いたします。
<対象路線>
- JALおよびJALグループ運航の国内線・国際線全路線
- 他社が運航するコードシェア便は対象外。
<対象運賃>
- フライトマイル積算対象運賃
<ご注意>
- JALカード会員限定初回搭乗、搭乗ボーナスなどキャンペーンによるFLY ON ポイントは2倍での積算の対象外となります。
- 2月1日(土)から3月31日(火)ご搭乗分までのフライトマイル事後登録分については、4月15日(水)までにマイル積算された場合に限り、2倍の対象といたします。
ちなみに、「JALカード会員限定初回搭乗、搭乗ボーナスなどキャンペーンによるFLY ON ポイントは2倍での積算の対象外」となっているため注意が必要です。
こちらは、東京(成田)-札幌(新千歳)線のフライトで獲得できるFOPの例です。コロナ特別対応により、フライトマイルに伴って計算されたFOPが「+1倍」として積算されます。「搭乗ボーナス」分は2倍になりませんので注意しましょう。
また、JMBダイヤモンド、JGCプレミアなどステイタス会員が利用できる「FOP1.5倍キャンペーン」については、0.5倍分が加算されます。ベース1に対して、コロナ特別対応で「+1倍」、FOP1.5倍キャンペーンで「+0.5倍」、合計では「2.5倍」という計算になります。楽天市場のSPUみたいですね。
今回の発表は2020年修行僧に対する救済策になります。2019年修行僧に対する救済策としては、2020年度のステータスを2021年度まで延長するという発表がされました。詳細は以下の記事をご参照ください。
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FLY ON ポイント(FOP)の積算率が2倍となることの効果
JALのステータス獲得基準は以下のようになっています。「サファイア」まで到達すると、ステータスを永続化できる「JGC」に申し込み可能になるというシステムとなっています。
<JALのステータス獲得基準>
ステイタス | 獲得条件(年間) |
クリスタル | 30,000FOP獲得、もしくは、30回以上の搭乗かつ10,000FOP獲得 |
サファイア=>JGCへ | 50,000FOP獲得、もしくは、50回以上の搭乗かつ15,000FOP獲得 |
ダイヤモンド | 100,000FOP獲得、もしくは、120回以上の搭乗かつ35,000FOP獲得 |
そのため、JALで飛行機修行される方の多くは、この「サファイア」をまず目指すということになります。このことを陸マイラー界隈では「JGC修行」と呼んだりしています。
今回の「FOP2倍」の救済策により、2月から7月に修行をする方は、いつもの半分である「25,000FOP」でサファイアおよびJGCになれてしまうということなりますね。
JGC修行のためのコストは、一般的には50万円前後と言われていますので、これが半分の25万円程度でクリアできるということにもなります。普段よりも半分のコストでJGCになれてしまいます。
新型コロナウィルス感染が蔓延する中で、不要不急の外出を助長するものではありませんが、JGCを狙っていた方にとっては大チャンスとも言えます。
ちなみに、JALの場合は「50回以上の搭乗かつ15,000FOP獲得」とうように、搭乗回数をメインにしてもステータスを獲得できますが、今回の救済策では搭乗回数に対する救済策はありません。
今年JGC修行するならFOPを基準にした方が良いですね。
JAL「新型コロナウィルス」対応のリンク集
JALでは、「新型コロナウィルス」対応として、国内線や国際線の航空券に対する特別対応も発表しています。こちらも必要に応じてご参照ください。
<JAL「新型コロナウィルス」対応のリンク集>
JALとANAでは、ゴールデンウィーク期間中の搭乗を含むチケットに対するキャンセル料を無料にする特別対応も発表しています。合わせてご参照ください。
また、株主優待券の有効期限を延長するという特別対応も発表しています。こちらも併せてご参照ください。
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まとめ:FOP2倍でも修行は慎重に
今回は、3月25日に発表になった、JALの「新型コロナウィルス」の感染拡大によるJALマイレージバンク会員に対する救済策をご紹介しました。
ANAと横並びとは言え、「FLY ONポイント(FOP)」を2倍というのは、インパクトが大きいですね。私はまだ「JGC修行」は未実施でしたので、これを機にチャレンジしようと思っています。
ただ、現在の状況からすると国際線の利用はほぼ絶望的なので、JGC修行するにしても国内線をメインにせざるを得ません。6月および7月の沖縄路線、特に土日のフライトには人気が集中しそうですね(「新型コロナウィルス」の感染拡大がおさまればという話ですが・・)。
何にしても、早く「新型コロナウィルス」の感染拡大がおさまり、普通にフライトを楽しめる日を待ち望むばかりです。
2021年度について、JALは既存ステータス会員に対して「ボーナスFOP」を付与する発表をしました。事実上のステータス基準緩和となりますね。ANAがどのような動きをするのか注目されるところです。
それでは、また!
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