イタリアの高速鉄道である「イタロ(Italo)」。鉄道界のフェラーリと言われるスタイリッシュな車体や、快適なシート、充実したサービスで人気を高めています。ベネツィア、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ナポリとう形で、イタリアの主要観光都市を網羅した運行ルートとなっており、観光にも便利です。当記事では、そんな「イタロ」の予約方法から運行ルート、運行時刻、座席クラス、クーポンコード(プロモーションコード)まで、詳しくご紹介していきます。
目次
イタロ(Italo)とは
「イタロ(Italo)」はイタリアの高速鉄道です。「ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ(NTV)」という民間の鉄道会社が運営しています。日本でいうところの私鉄という位置付けになります。
イタリアの高速鉄道としては、国営の鉄道会社である「トレニタリア(Trenitaria)」が運営する「レ・フレッチェ(Le Frecce)」もあります。
「イタロ」が開業したのは2012年4月ということで、「トレニタリア」よりも後発になりますが、その分、鉄道界のフェラーリと言われるスタイリッシュな車体や、快適なシート、充実したサービスで差別化を図っています。
イタロ(Italo)の運行ルート
「イタロ(Italo)」の運行ルートは以下のようになっています。赤枠をしたのが観光客に人気の主要な都市となります。
北から、ベネツィア、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ナポリ、という形で、イタリアを南北に横断するルートを確保しています。
<イタロの運行ルート>
イタロ(Italo)の運行時刻
「イタロ(Italo)」の運行時刻は公式HPから確認することができます。
参考 運行時刻(Taime Table)イタロ(Italo)
上記のリンクをクリックすると、以下のような画面が表示されると思います。「From」と「To」に出発地と目的地を入力し「Search」をクリックすることで、運行時刻を検索することができます。
主要な都市の英語表記は以下になります。都市名は「プルダウン」でも選択できますし、直接入力にも対応しています。検索したい都市名(駅名)を入力(もしくは選択)して確認してみましょう。
<イタロが運行している主要な都市名(駅名)>
日本語名 | 英語名 |
ローマ中央駅 | Roma Termini |
フィレンツェ中央駅 | Firenze SMN |
ベネツィア中央駅 | Venezia S.Lucia |
ミラノ中央駅 | Milano Centrale |
ナポリ中央駅 | Napoli C.le |
イタロ(Italo)の座席クラスの違い
「イタロ(Italo)」には、4つの座席クラスがあります。この座席クラスによってシートの種類や提供されるサービスが異なるため、ここでまとめておきたいと思います。
「クラブ・エグゼクティブ(Club Executive)」が一番高級な座席で、下に行くほどリーズナブルな座席となっています。
<イタロの座席クラス>
- クラブ・エグゼクティブ(Club Executive)
- プリマ(Prima)
- コンフォート(Comfort)
- スマート(Smart)
クラブ・エグゼクティブ(Club Executive)
飛行機で言えば、「クラブ・エグゼクティブ(Club Executive)」はファーストクラスに該当します。高級仕様の専用車両でスナック&ドリンクの提供サービスがあります。
乗車前まで専用ラウンジを利用することができ、スナックやドリンクをいただくことができます。また、専用の改札(ファーストトラック)でスムーズにプラットフォームまで移動することができます。
こちらが、「クラブ・エグゼクティブ」の実際の様子です。列車の中で最も端の1つの車両のみが「クラブ・エグゼクティブ」の専用車両となっています。2列-1列のシート配列で、前後の座席間隔も余裕があります。
「クラブ・エグゼクティブ」では、2列-2列が対面となる個室を指定することもできます。4人までのグループ旅行の場合は重宝しそうです。
また、「クラブ・エグゼクティブ」は専用車両ということで利用者も限られています。荷物スペースも専用の場所があり、先頭車両の一番前の通り抜けができないゾーンにあるため、セキュリティ的にも安心できます。
こちらは乗車前に利用できる「クラブラウンジ」です。専用スペースでゆったりと乗車までの時間を過ごすことができます。スナックと簡単なフードも提供されています。
こちらが「ファストトラック」。専用レーンでスムーズにセキュリティチェックを受けてホームに移動することができます。
プリマ(Prima)
飛行機で言えば、「プリマ(Prima)」がビジネスクラスに該当します。2列-1列の余裕のあるシートでスナック&ドリンクの提供があります。
「クラブラウンジ」は利用することができませんが、「ファストトラック」は利用することができます。
こちらが、「プリマ」の実際の様子です。2列-1列のシート配列で余裕がありますが、「クラブ・エグゼクティブ」に比べると、はやり手狭感があります。
コンフォート(Comfort)
飛行機で言えば、「コンフォート(Comfort)」はプレミアム・エコノミークラスに該当します。シートはプリマと同じですが、スナック&ドリンクの提供はありません。
また、「ファストトラック」も利用することができません。余計なサービスはいらないから、シートだけは良いほうがいいという方向けの座席クラスとなります。
スマート(Smart)
歩行機で言えば、「スマート(Smart)」はエコノミークラスに該当します。2列-2列の座席で付帯するサービスはありません。また、事前の座席指定もできません(予約時に自動的にアサインされる)。
「スマート」の座席のイメージはこちらになります。普通な感じですが、日本の新幹線に比べると全体的にスタイリッシュです。
座席クラスによるサービスの違い
座席クラスによるサービスの違いをまとめると以下のようになります。せっかく「イタロ(Italo)」に乗車するのであれば、高いサービスを実感できる「プリマ(Prima)」以上の利用がオススメです。
<座席クラスによるサービスの違い>
クラブ・エグゼクティブ(Club Executive) | プリマ(Prima) | コンフォート(Comfort) | スマート(Smart) | |
概要 | 高級仕様の専用車両でスナック&ドリンクの提供あり。 | 2列-1列の余裕のあるシートでスナック&ドリンクの提供あり。 | シートはプリマと同等だがスナック&ドリンクの提供なし。 | 2列-2列の座席で付帯サービスなし。 |
ラウンジアクセス | ◯ | |||
ファストトラック | ◯ | ◯ | ||
スナック&ドリンク | ◯ | ◯ | ||
座席配列 | 専用車両 | 2列-1列 | 2列-1列 | 2列-2列 |
イタロ(Italo)のチケット購入方法
「イタロ(Italo)」のチケット購入方法は以下3種類となります。
<イタロ(Italo)」のチケット購入方法>
- イタロ(Italo)の公式HPから購入する
- レイルヨーロッパのHPから購入する
- 現地券売機で購入する
「1.イタロ(Italo)の公式HPから購入する」場合、早期割引やクーポンコードが利用できるため、一番割安になります。ただし、英語とイタリア語のみの対応となります。
日本語で予約したい方は若干割高になりますが「2.レイルヨーロッパのHPから購入する」のがオススメです。クーポンコードの利用などで、「1」との差額は少なくなる場合もあります。
「3.現地券売機で購入する」のは割引が全く適用されませんし、希望の便が満席になっているリスクがありますのでオススメしません。
こちらは、「イタロ」の券売機です。
「イタロ」のチケットの購入方法をまとめると以下のようになります。英語(もしくはイタリア語)に抵抗のない方は「1」を、日本語で予約したい方は「2」がオススメになります。
<チケット購入方法のメリットとデメリット>
メリット | デメリット | |
1.イタロ(Italo)の公式HP | 一番割安 | 英語とイタリア語のみ |
2.レイルヨーロッパのHP | 日本語で予約可能 | 「1」より若干割高 |
3.現地券売機 | 予定を柔軟に決められる | 一番高価、かつ満席のリスクあり |
記事の後半では「1.イタロ(Italo)の公式HPから購入する」場合の予約方法を詳しくご紹介していきたいと思います。
イタロ(Italo)のチケットを公式HPから予約する方法
Step1:イタロの公式HPにアクセス
イタロ(Italo)のチケットを公式HPから購入する場合、まずは公式HPにアクセスします。以下のリンクから公式HPにアクセスすることができます。
参考 トップ(Top)イタロ(Italo)
Step2:言語を選択
公式HPのトップページの右上には言語選択のボックスがあります。「EN」が英語、「IT」がイタリア語になりますので、お好みに合わせて選択しましょう。以下では「英語」を選択した状態で進めていきます。
Step3:出発地と目的地を入力
画面中央部に「Where are you going?」という表示とともに「From」と「To」のボックスが表示されています。こちらに出発地と目的地を入力します。
駅名は、プルダウンでも選択できますし、直接入力することもできます。
イタロが運行している主要な都市名(駅名)は以下になります。これらを予定に合わせて選択(もしくは入力)します。
<イタロが運行している主要な都市名(駅名)>
日本語名 | 英語名 |
ローマ中央駅 | Roma Termini |
フィレンツェ中央駅 | Firenze SMN |
ベネツィア中央駅 | Venezia S.Lucia |
ミラノ中央駅 | Milano Centrale |
ナポリ中央駅 | Napoli C.le |
Step4:片道/往復を選択
続いては、購入する切符を「片道」か「往復」かを選択します。往復の場合は「Round Trip」、片道の場合は「One Way」を選択します。
ちなみに上記の画面例では、「ローマ中央駅(Roma Termini)」から「フィレンツェ中央駅(Firenze SMN)」までの片道(One Way)」を選択しています。
Step5:日時を選択
続いては、購入する切符の日時を選択します。カレンダー形式になっており、希望の日時をクリックします。その後、利用する人数を選択して、「Search」をクリックします。
ちなみに、上記画面例は、「2019年8月1日」のチケットを「大人1名」で検索しています。
Step6:列車を選択
続いて、切符を購入する列車を選択します。出発時刻順にずらずらっと選択候補が表示されますので、画面を下にスクロールして、希望の列車を選択します。
Step7:座席クラスを選択
希望の列車を選択すると、その列車に対する座席クラスごとの料金が表示されます。
縦軸は「座席クラス」となっており、「スマート(Smart)」が一番リーズナブルで、「Club Executive)」が一番高価になります。左から右にいくほど、価格が高くなっていくのがわかりますね。
Step8:チケット種別を選択
続いて、縦軸は「チケット種別」になります。一番上の「フレックス(Flex)」が定価で、下に行くほど割引率が高くなっています。
「フレックス(Flex)」と「エコノミー(Economy)」の価格差は大きくなってますので、基本的には「エコノミー(Economy)」以下のチケット種別を選択するのがお得になります。
ただし、チケット代金が安くなる分、予定変更やキャンセル時の払い戻しに対する制限が強くなります。価格だけを見ず、この辺りの制約も考慮して選択するようにしましょう。
詳細は「i」と書かれたアイコンをクリックすることで表示されます。例えば、「ローコスト(Low Cost)」のチケットの購入条件は以下のようになります。
名義変更は「1ユーロの追加」で可能ですが、予定変更は「50%の追加」が必要で、払い戻しは「不可」となっています。ちなみに、予定変更は3日前までに行う必要があります。
チケット種別ごとの購入条件(制限)をまとめると以下のようになります。詳細についてはチケット購入時に表示される条件を再度ご確認ください。
<チケット種別ごとの購入条件(制限)>
名義変更 | 予定変更 | 払い戻し | |
フレックス(Flex) | 無料 | 3分前まで可 無料 |
20%減額 |
エコノミー(Economy) | 無料 | 3分前まで可 20%追加 |
40%減額 |
ローコスト(Low Cost) | 1ユーロ追加 | 3日前まで可 50%追加 |
不可 |
イタロスペシャル(Italo Special) | 不可 | 不可 | 不可 |
Step9:購入者情報の入力
「座席クラス」と「チケット種別」がクロスしたところをクリックすることで、そのチケットを選択したことになりま。その後は、「購入者情報」を入力していきます。
「購入者情報」として入力が必須のものは、「名前(First Name)」と「苗字(Last Name)」、「Eメール(Email)」の3つとなります。これらを入力して次に進みましょう。
Step10:座席指定
次のステップは基本的には支払いになりますが、ここで座席変更を行うこともできます。
座席は、一旦機械的にアサインされています(赤線)が、「Change the assigned seats」を選択することで、自由に座席を選択することができます。
座席変更画面は以下のようになります。こちらは、座席クラスとして「プリマ(Prima)」を選択した場合の例です。
「黄色」のシートが自動的にアサインされた座席で、「濃いグレー」の座席の中から、自由に変更することができます。
Step11:決済の実施
「座席指定」の後は、支払いを行います。支払い方法は以下の画面のように「クレジットカード(Credit Card)」や「ペイパル(PayPal)」、「アマゾンペイ(Amazon Pay)」などから選択することができます。
クレジットカードは、「VISA」の他、「Master」「AMEX」「DinersClub」などから選択することができます。あとは、クレジットカード番号など必要情報を入力の上、「Purchase」をクリックします。
Step12:電子チケットの確認
決済の終了後は、電子チケットのダウンロード画面が表示されます。また、入力したメールアドレス宛にも、PDF化した電子チケットが送付されているはずです。
こちらの電子チケットは乗車の際に必要になりますので、念のため印刷して持参しましょう。
以下は、私が実際に購入した電子チケットの例です。ローマからフィレンツェへのルートを「クラブ・エグゼクティブ(Club Executive)」で購入しています。
「EXTRA」と書かれた部分に「ファストトラック(Fast Track)」と「ラウンジ(Lounge)」と表示されているのがわかりますね。
続いて以下は、フィレンツェからベネツィアへのルートを「プリマ(Prima)」で購入したものです。「EXTRA」と書かれた部分は「ファストトラック(Fast Track)」だけになっています。
イタロ(Italo)のクーポンコード(プロモーションコード)を獲得する方法
「イタロ(Italo)」のチケットは前述のとおり、公式HPから割引価格で購入することができます。そしてさらに、公式HPが発行している「クーポンコード(プロモーションコード)」も利用することができます。
公式HPが発行している「クーポンコード(プロモーションコード)」を利用すると、定価から30%や40%などの大きな割引を受けることができるため、通常の割引価格よりもお得になることがあります。
「クーポンコード」は、ニュースレター(メールマガジン)を購読することで獲得することができます。
「イタロ」の公式HPのトップページを真ん中辺りまで下にスクロースさせると、以下のようなニュースレター購読のためのバナーが表示されているはずです。
こちらの「Email」のところにメールアドレスを入力し、「Subscribe Now」をクリックしましょう。これだけで、登録が完了します。
あとは、1週間に1回のペースで送られてくるニュースレターにクーポンコード(プロモーションコード)が記入されていますので、こちらを利用することができます。以下は、ニュースレターの例になります、
この場合、クーポンコード(プロモーションコード)は「SETTE」で、4月29日の15時まで利用できます。予約対象の列車は5月14日から9月8日までとなります。
ニュースレターはイタリア語での配信になりますので、グーグル翻訳などで翻訳すると良いと思います。
イタリア旅行2019のスケジュール
今回の記事は、2019年ゴールデンウィークの「イタリア旅行」の一部としてご紹介しました。「イタリア旅行2019」全体のスケジュールは以下のようになっています。
<イタリア旅行2019のスケジュール>
- 1日目:東京(羽田)からイタリア(ローマ)に移動。セントレジス ローマに宿泊
- 2日目:ローマ観光。セントレジス ローマに宿泊
- 3日目:ローマからフィレンツェに移動。セントレジス フィレンツェに宿泊 <=今ここ
- 4日目:フィレンツェからヴェネツィアに移動。ダニエリ(ヴェネツィア)に宿泊
- 5日目:ヴェネツィア観光。ダニエリ(ヴェネツィア)に宿泊
- 6日目:イタリア(ヴェネツィア)から東京(成田)に移動
- 7日目:東京(成田)に帰国
今回のイタリア旅行はビジネスクラスと高級ホテルを利用した豪華なものですが、貯めたANAマイルとSPGアメックスのポイントで、ほぼ無料で実現しています。
陸マイラー的なANAマイルの貯め方とSPGアメックスの特典とメリット・デメリットは以下の記事をそれぞれご参照ください。
まとめ
今回は、「イタロ(Italo)」の予約方法から運行ルート、運行時刻、座席クラス、クーポンコード(プロモーションコート)まで、詳しくご紹介していきました。
「イタロ(Italo)」は、スタイリッシュな車体や、快適なシート、充実したサービスが特徴です。チケット代もその分高価と思われがちですが、割引となるチケット種別も多くあり、リーズナブルな価格で利用することができます。
さらに、ニュースレターに登録することで、クーポンコード(プロモーションコード)も獲得することができ、さらにお得に利用できます。
ベネツィア、ミラノ、フィレンツェ、ローマ、ナポリなど、都市間を移動する際には、ぜひ一度お試しいただければと思います。
==>次の記事
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それでは、また!
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